外国人採用でのハローワークの利用方法とは?届出から手続きの内容を解説

日本では総人口の減少・少子高齢化にともない労働人口が減少しているため、
外国人採用を行う企業が増加しています。

外国人採用をサポートするサービスも多く存在しますが、コストがかかるため利用しづらいと感じている企業も存在するでしょう。

そのような企業におすすめなのが無料で利用可能なハローワークでの外国人採用です。

本記事では、以下について詳しく解説します。

・ハローワークで外国人採用が出来るか否か
・メリ
・注意点
・手順

外国人採用を検討している方、ハローワークでの外国人採用をしたい方は、ぜひご覧ください。

≫≫ 外国人人材紹介サービスランキング10選!選び方も含めて解説

ハローワークで外国人採用は出来るのか?

ハローワークで外国人採用は出来るのか?

ハローワークでも、外国人向けの求人募集を出して採用が可能です。

費用が無料で、求人募集だけでなく雇用保険や助成金、外国人雇用管理アドバイザーなどのサービスも受けられます。

ここからは、ハローワークの概要や外国人雇用サービスセンターについて詳しく解説します。

ハローワークとは?

ハローワーク(公共職業安定所)とは、求人事業主や求職者に対し雇用対策や職業紹介関連のサービスを提供する機関の事です。

ハローワークは厚生労働省が運営しています。

具体的には、求人事業主向けに以下のサービスを提供しています。

・求人情報の受け付け
・雇用保険や助成金に関する相談・申請の対応
・セミナーの開催 など

全国に500を超える拠点を構え、登録している多くの求職者に無料でアプローチが可能です。

また、求職者向けには以下のサービスを提供しています。

就職や転職に関する相談対応
・職業紹介
・雇用保険の受給手続き など

近年では日本において就労を希望する外国人への対応を目的に、外国人関連の窓口を設置し、専門の相談員整備や通訳を行っています。

外国人雇用サービスセンターとは?

外国人雇用サービスセンターは、外国人留学生や専門的・技術的分野の外国人労働者など、高度外国人材の就職支援に関連した、以下のサービスを提供しています。

・職業相談や職業紹介
・就職ガイダンス
・インターンシッププログラムの提供
・就職面接会の実施 など

以下の全国4ヵ所に存在し、外国人雇用を希望する事業主への雇用管理に関する指導や援助も実施。

・ 東京
・ 名古屋
・ 大阪
・ 福岡

ハローワークを利用した外国人採用を検討しているのであれば、一度訪問するのがおすすめです。

外国人採用をハローワークで行うメリット

外国人採用をハローワークで行うメリット

外国人採用をハローワークで行うのには、主に以下2つのメリットが存在します。

無料で採用活動が行う事が出来る
沢山の人に求人を見てもらえる

ここからは、上記メリットに関して詳しく解説します。

無料で採用活動が行う事が出来る

ハローワークは公的機関が運営しているため、無料で外国人の採用活動が出来ます
利用するサービスにもよりますが、例えば企業が提供する外国人人材紹介サービスを利用した場合、採用した外国人の初年度理論年収における35%程度がコストとして発生します。

また、ヘッドハンティング型のサービスは契約時の着手金と成功報酬、求人サイト掲載型のサービスは掲載料などが必要です。

ハローワークは、成功報酬や掲載料などがなく、一切コストがかからないのが大きなメリットです。

沢山の人に求人を見てもらえる

多数の人に求人を見てもらえるのも、外国人採用をハローワークで行うメリットの一つです。

厚生労働省が発表した一般職業紹介状況によれば、2022年度の新規求職申込件数は4,508,894件。

2022年の外国人新規求職者は毎月1万人程度で推移し、2023年1月は9,076人となっています。

1日約150万件のアクセス数があるハローワークインターネットサービスに、求人情報の掲載も可能です。

また、ハローワークに登録している求職者の約7割が職についていない離職者であるといわれており、求職意欲が高いのも魅力の一つです。

参考:一般職業紹介状況(職業安定業務統計):雇用関係指標(年度)|厚生労働省
参考:外国人雇用の状況について(ハローワークの求職・就職・求人状況)|厚生労働省

≫≫ 外国人採用の流れは?メリットから雇用の手順や注意点までを徹底解説

外国人採用をハローワークで行う際の注意点

外国人採用をハローワークで行う際の注意点

メリットはありますが、ハローワークでの外国人採用には注意点も存在します。

ここからは、外国人採用をハローワークで行う際の以下3つの注意点について詳しく解説します。

◉ イメージが悪い
◉ 掲載情報が限定的
◉ 他社との差別化がしにくい

イメージが悪い

ハローワークでの外国人採用における注意点の1つ目は、イメージが悪い事です。

ハローワークでは求人・採用が無料であるため、採用費をかけたくない企業が利用しているなどの悪いイメージを持たれるケースが存在します。

また、人によっては採用に費用をかけない、ブラックな会社ではないかと疑う方も。

掲載情報が限定的

ハローワークでの外国人採用における注意点の2つ目は、掲載情報が限定的な事です。

求職者が求人情報を検索したときに結果として一覧表示される具体的な情報は、以下などが該当します。

・職種
・求人区分
・事業所名
・就業場所
・仕事の内容(30字×3行まで)
・雇用形態
・賃金
・就業時間
・休日 など

また、ハローワークインターネットサービスに掲載出来る事業者からのメッセージは、最大600文字。

リクナビやマイナビなどの一般企業が運営している求人サイトのように、写真なども含め多くの情報掲載は出来ません。

限られた情報しか掲載できないため、自社の魅力や要望する人材などを外国人求職者にアピールするのは簡単ではありません。

他社との差別化がしにくい

ハローワークでの外国人採用における注意点の3つ目は、他社との差別化がしにくい事です。

一般的な求人サイトを利用する場合、オプションを活用すれば以下の事が出来ます。

・ピックアップ求人への掲載
・検索結果上位への表示
・注目の仕事への掲載 など

ただ、ハローワークの場合は、費用を払って利用できるオプションなどは存在しません。

また、前述の通り掲載出来る情報が限定されているため、他社との差別化が簡単ではありません。

≫≫ 外国人採用におけるフェーズごとの注意点を分かりやすく

ハローワークでの外国人雇用の3つの手順

ハローワークでの外国人雇用の3つの手順

上記の様な流れで以下に2種類の相談先の解説をお願いします。

外国人雇用サービスセンターには以下2つの相談窓口が存在し、目的や用途に応じた使い分けが重要です。

・ 外国人雇用管理センター
・ 外国人雇用サービスセンター

もちろん、どちらも相談・利用は無料。

ここからは、ハローワークを利用し外国人を採用するための以下3つの手順について詳しく解説します。

◉ 外国人雇用管理センターと外国人雇用サービスセンターへの相談
◉ ハローワークに求人票を出して申し込む
◉ 採用後のハローワークへの届出義務

外国人雇用管理センターと外国人雇用サービスセンターへの相談

外国人雇用管理センターでは、外国人労働者における雇用管理の改善や職業生活上の問題などについて、専門的な知識や経験を有するアドバイザーへ相談が可能です。

事業主を積極的かつ効果的に指導・援助する目的で各都道府県に設置されました。

ハローワークもしくは事業所に来訪してもらい、以下などの相談が出来ます。

・外国人雇用に関して考慮すべき点
・日本語が不慣れな外国人に対する職場教育の方法
・労働契約や職務配置、福利厚生、退職・解雇時の注意点 など

また、すでに外国人を雇用している場合は現状に問題がないかなどに関するアドバイス、外国人労働者とのトラブルの解決サポートなどもしてくれます。

一方、外国人雇用サービスセンターは高度外国人材の就職支援を行っており、事業主は採用手続きが可能です。

また、登録している外国人求職者から自社が求める条件に合う人材の検索が出来ます。

さらに、所持する在留資格が自社の雇用内容に適しているかの確認も行ってくれます。

ちなみに、在留資格とは外国籍の方が日本に滞在するにあたり必要な資格の事です。

29種類存在し、在留資格によって活動範囲や労働時間、滞在期間が異なります。

在留資格によって定められている活動範囲外の業務への従事や、許可された時間以上の労働は認められないため、ご注意ください。

ハローワークに求人票を出して申し込む

ハローワークの外国人を採用する場所を確認したら次はハローワークでの求人を出す方法を見ていきましょう。

外国人採用や雇用に関する不安・疑問を解決した後に、実際に申し込みを行います。

ハローワークに求人票を出して申し込むためには、まず事業所の住所を管轄するハローワークにて以下の情報を提出し、事業所登録をしなければなりません。

・ 企業基本情報
・ 事業所基本情報
・ 事業所詳細情報
・ 事業所就業場所情報
・ 事業所PR情報
・ 画像情報

なお、事業者登録ははじめてハローワーク利用する事業主のみが必要です。

続いて、以下の情報を記入した求人申込書を提出します。

・ 求人区分などの情報
・ 事業所情報
・ 仕事内容情報
・ 賃金・手当情報
・ 労働時間情報
・ 保険・年金・定年などの情報
・ 求人PR情報
・ 選考方法情報

ハローワークインターネットサービスからも事業所や求人の仮登録が出来ます。

日中が忙しくハローワークに訪問する時間が取れない方は、インターネットサービスから申し込むのがおすすめです。

はじめてハローワークやインターネットサービスを利用する場合は、ハローワーク職員が事業所に来訪したり、電話で確認したりするケースも存在します。

求人が受理されれば、受理された日の翌々月末までが有効期限の求人票が発行されます。

ちなみに、求人における有効期間の短縮も可能です。

その後、応募者が出ればハローワークの担当者から連絡が来るため、日程を調整し面談を実施します。

採用後のハローワークへの届出義務

実際に外国人の正社員や派遣社員、アルバイトを採用したら、以下の在留資格を所持している場合を除き「外国人雇用状況の届出」をハローワークに提出しなければなりません。

・外交
・公用
・特別永住者

ちなみに、外国人雇用状況の届出はハローワークを利用せずに外国人を採用した場合でも、届け出る義務があり、また離職した際も必要です。

届け出方法は雇用保険加入有無により異なり、具体的には以下の通りです。

方法 期日
雇用保険に加入する 雇用保険の被保険者資格の取得届また喪失届の
備考欄に、以下を記載し届け出

・在留資格
・在留期限
・国籍 
雇用は翌月末日までで、離職は翌日から起算して10日以内
雇用保険に加入しない ハローワークの窓口もしくはホームページで
入手した届出様式に、以下を記載し届け出

・氏名
・在留資格
・在留期限
・生年月日
・性別
・国籍 
雇用・離職の翌月末日まで

届け出を行わなかったり、虚偽の届け出を行ったりした場合には、30万円以下の罰金が科せられるため、ご注意ください。

≫≫ 外国人雇用における入社前後に必要な手続きと書類を詳細に解説

外国人採用でのハローワークの利用方法とは?届出から手続きの内容を解説  まとめ

ハローワークでも外国人採用は可能で、利用が無料なのが嬉しいポイントです。

また、2022年の外国人新規求職者は毎月1万人程度で、多くの方にアプローチ可能。

まずは、外国人雇用管理センターと外国人雇用サービスセンターへの相談からはじめてみてはいかがでしょうか。

≫≫ 外国人採用の派遣サービスおすすめ10選!注意点からメリットまで徹底解説